春鹿 酒蔵見学 2012

春鹿 酒蔵見学 2012

2月4日の土曜日、奈良にある清酒春鹿の蔵元、今西清兵衛商店さんの酒蔵見学に行ってきました。

酒蔵見学会は例年2月の土・日に開催されており、事前に電話での予約が必要です。各回の定員は50名程度。今年の予約は既に埋まっており、キャンセル待ちの状態だそうです。
参加料は500円で、見学と試飲ができます。

酒蔵はJR奈良駅近鉄奈良駅から歩いて15分くらい、奈良町の一角にあります。

新酒ができた時に吊された杉玉はまだ全体的に緑色でした。
 

まずは15分ほどのビデオで酒造りの工程の勉強です。ビデオでは蒸し米・麹・酒母造り、仕込み・発酵、搾り等々を伝統的な手作業で再現して説明していました。

現代の酒造りは冷暖房設備や搬送装置の導入など機械化されています。ただ、半導体工場の様にクリーンルームで製造されているわけではなく、工程は手作業の時代と変わっていません。

社長さんのお話の中で印象的だったのは、日本酒は世界で例がない四季が楽しめるお酒。9月にお米が入ってきて、数ヶ月後に新酒ができる。新酒も楽しむことができ、そこから時間を経て熟成した味も楽しる。という話しでした。

蒸溜しないお酒では、日本酒の他にはビールとワインが代表格ですが、一般的にビールは長期熟成は特殊な部類ですし、ワインは長期熟成が前提です。

(最近の話題では、ビールではアサヒビールスーパードライで「鮮度実感パック」と名付け「できたて」を訴求する一方、サッポロビールはエビスビールで1年熟成に挑戦するとプレスリリースしています。)
http://www.asahibeer.co.jp/products/beer/superdry/sendopack/
http://www.sapporobeer.jp/news_release/0000020294/index.html


日本酒は古酒もありますが、1年でその年の秋の新酒から、翌年の秋の秋晴れまで、楽しむことができるということですね。

各工程は、社長さんの案内で、見て回りました。

見応えのあるのは仕込み室です。実際に仕込み中のタンクを間近にみることが出来るのは、数少ない機会です。この時は、大吟醸の仕込み中とのことで、仕込み室に入った途端、熟した桃とリンゴを合わせた様なとてもフルーティーな良い香りがしました。
タンクによって、もろみの状態・泡の出方が違います。
 


一通りの見学が終わると、試飲会の始まりです。二つのテーブルにお酒が置かれ、自分で自由にお酒をついで試飲します。

超辛口、しぼりばな、新走り、大吟醸、しろみき、ときめきの他、奈良漬け、甘酒をを用意していただきました。
これは、空になったビンを並べたところです。

興味深かったのは、純米吟醸生酒の「しぼりばな」と、「純米大吟醸」の比較です。
しぼりばなは、一口目で吟醸香が前面に出てくるのに対し、純米大吟醸は、最初はすっきりした香り・味わいで、後から香りが広がってくる感じがしました。


お土産には、この日試飲にはなかった純米酒旨口四段仕込と金紋山廃造を買って帰りました。

こちらもゆっくり楽しみたいと思います。

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