春鹿酒蔵見学2018

2月の初旬に奈良県の奈良町にある清酒春鹿」の醸造元、今西清兵衛商店さんの酒蔵見学に行ってきました。毎年2月の土日に開催されている見学会です。料金は500円で、蔵見学の後に試飲会もあり、毎年違ったお酒が試飲できます。

酒蔵は、近年観光客が増えている奈良町の中にあり、この日は少し雨が降る寒い日でした。

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酒蔵に着くと、新酒シーズンが始まったことを表す、新しい緑色の杉玉が吊るされていました。

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まずは、ビデオで日本酒の製造工程の勉強です。伝統的な方法での、洗米、浸漬、麹造り、酒母造り、もろみづくり、しぼりの工程の解説です。日本酒の製造工程の復習になります。

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見学は今西社長さんの案内で行われました。作業場・倉庫の横を通って、酒蔵に向かいます。作業場では、立春朝搾りの準備がされていました。毎年立春の早朝に搾ったお酒を、卸会社や酒販店の協力も得て出荷するというお酒の準備です。

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見学では、まずは、プラカップで、純米吟醸生酒しぼりばなを試飲しました。吟醸香に生酒の爽やかな風味が加わったお酒です。

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見学順路の関係で酒造りでは後ろの方の工程の搾り工程から見学しました。お酒の種類によって使う搾り機が変わり、また春鹿では酒粕も販売していて人気商品ですが、酒粕を作るためにも使う搾り機が変わるそうです。

次に、洗米、浸漬、蒸し工程を見学しました。
蒸米づくりは、現在はボイラーで行っていますが、昔は薪で火を起こしており、酒蔵のシンボルである煙突は、薪時代のなごりとのことです。同社では煙突は撤去しましたが、今は広告塔として使われているところも多いそうで、そう説明してもらうと、灘地域などでは今でも煙突が多数見られた覚えがあります。

次は、貴重な発酵タンクの見学です。発酵中のタンクを直に見ることができる機会はあまりありません。タンクによって発酵の状態が異なるのが分かります。ぶくぶくと炭酸ガスが湧いているタンクもあります。事前に注意がありましたが、タンクの中は酸素がなく、万が一中に落ちると、すぐに酸欠になって命の危険があるそうです。

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見学の後は、試飲会です。試飲用のお猪口を受け取り、2つのテーブルに分けて置かれたお酒を自分で自由に注いで飲む方式です。今西社長さんの解説を聞きながら飲むことができます。まずはテーブルに次の4種類のお酒と、やわらぎ水が用意されていました。

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■超辛口純米生原酒
春鹿の代表名柄の超辛口に、生原酒のフレッシュさが合わさったお酒です。
肴はしっかりとした味のもの、今の季節では寒ブリなどがお勧めとのことです。
純米吟醸生酒しぼりばな
春鹿の銘柄の中では甘口で吟醸香が豊かなお酒です。肴はその香りと合わせたイカのしそ巻きや、珍しいのですが、トマト、ゆずなども合うそうです。
■旨口四段仕込
冷酒、常温、燗も合うお酒です。春鹿と言えば超辛口が有名ですが、旨口の代表銘柄です。お米の味が前面に出てくる旨味のあるお酒です。
■新走り一番 本醸造 しぼりたて生原酒
生原酒の本醸造で、アルコール度数は19度と高めです。こちらは生原酒のフレッシュさが強い一品です。食前または食後に味わうのも良いと思いました。

こちらの4銘柄がテーブルに用意されていた後、定番酒の濁り発泡酒のしろみきと、甘口の発泡純米酒ときめき、酒蔵製の「きゅうり」と「うり」の奈良漬けも出していただきました。
ときめきは、イチゴ、ラフランス、モモなどを入れたグラスに注ぐ飲み方もお勧めとのこと。試してみたい飲み方です。
今年も春鹿、今西清兵衛商店さんの様々なお酒を試飲することができ、今西社長さんの話も聞くことができ、有意義な見学会でした。

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