焼酎の消費動向・傾向について調べてみました

 大阪のなんばパークスにあった焼酎・泡盛の専門店「SHO-CHU AUTHORITY」(焼酎オーソリティ)が、なくなっていました。今年の1月に閉店したとのこと。買いやすく品揃えが豊富で、父の日の前などは混雑してレジに行列ができる程だったのですが、残念です。
閉店の理由は分かりませんが、小売店の閉店というと売上不振が考えられます。店の問題というより焼酎全体の売上が下がっているのかもしれません。
 そのようなこともあり、焼酎の消費動向について調べてみました。
 焼酎と日本酒の消費量をグラフにすると、次のようになりました。

データ元:
国税庁ホームページ(http://www.nta.go.jp/)統計情報。酒類消費量データ。2005年度までは長期時系列データ。その後は各年度のデータを加えて作成。

(長期的な傾向)
 焼酎の消費量は、まず1980年代前半に大きく伸びています。この頃はチューハイやサワーのブームがあり、缶入りチューハイなどもヒットした時期です。その後一旦踊り場と下降期を経て、1991年から消費量は伸長していきます。今のブームは2000年頃から始まったと言われていますが、その10年前から長期的な増加傾向にあります。

(最近の傾向)
 2004年から2007年にかけてが踊り場で、2008年に3%減少しています。1991年移行では目立つ落ち込みです。

 日本銀行鹿児島支店が2008年2月に発表した「焼酎ブームのその先にあるものは!?」には、次のように述べられています。
・第3回目となる焼酎ブーム(平成2000年〜2004年度:年平均伸び率6.5%)は終わった。
・背景としては、健康ブームを背景に進んできた日本酒からのシフトが弱まってきたこと、焼酎の普及率が3割まで上昇し一服感が出てきたことが挙げられる。
・今回のブームの主役は芋焼酎であり、芋焼酎メーカーは、大手も中堅中小も売上を拡大した。
・ブームを活かすことができたところとできなかったところがあり、企業間格差が広がる傾向がある。

日本銀行鹿児島支店の公式ホームページです。
http://www3.boj.or.jp/kagoshima/index.html
支店公表資料「かごしまノート」に掲載されています。

 日本銀行の分析では焼酎ブームが終わったとあります。ただ、1970年代と比べると焼酎の消費量は5倍になっており、2003年には日本酒の消費量を超えるメジャーなお酒になりました。飲食店でも一般的に置かれるようになり、ブームが終わったとしても焼酎の味わいや楽しみ方が全国的に広まったので、まだ焼酎に追い風は吹いていると思います。今後、安定期に入るか下降傾向が続くかは、分からない状態だと思います。
 また、今回グラフ化してみて驚いたのは、清酒の消費量の低下傾向でした。このように全体の低下傾向が続くと蔵元や銘柄間の競争が厳しくなるので、その苦労はたいへんなものだろうと改めて感じました。

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